中田社長、今日の格好はどのような意図があるのですか?
今日は、大貴さんのインタビューを受けるので、素の自分を見せたいと思って・・・
考え抜いた結果、普段着になってしまいました(笑)
コーポレートインタビューでは、はじめてです。
私もはじめてです(笑)
もともとプロ格闘家でいらっしゃったと。
そうですね、空手出身でプロレスと総合格闘技を。
経営者でもあり格闘家でもありトレーナーとしても・・・三足の草鞋ですね。どれもバランス良くこなしていくということが、社長にとっても会社にとってもプラスになるということですか?
IT部門に関してはある意味、自分をクビにしている最中です。
え!自分をクビにする?
自分が信頼している人たち(社員)に任せるということなんです。
私は新規開拓の営業とか、今までのパイブの強化に専念しています。
自分をクビにするスタイルにさせたのは、何かきっかけがあったのですか?
一番は、大手さんは大手さんでしっかりとしたパイプで繋がっていますし。だったら、私の得意な健康面であったり、プロレスであったりと、他では真似できない部分を武器として営業をする。そのためにもIT事業は他の人に。
その手法自体が、武器なんですね。
武器でもありギャグでもあるんです。
社長の営業ツール!
特化したものがないと。
一つで良いから、突き抜けていこうと。
だからこそ、このスタイルに真剣に取り組める人達と一緒にやってきました。
信頼できる社員の方々ばかりなんですね。
そうです。学歴とかではなく、目を見て話せるか、ほんとに夢や希望を持って我が社に入りたいのか。社風に合っているかどうか。根が良ければ、誰でも成長できると思っていますので。
この業界に求められている社員像とは、どのような人物だと思われますか。
もちろんITスキルは求められますが、最近少し違ってきてますね。相手を思いやれ、手伝うこともできるコミュニケーションスキル、チームとして働けることが大切になっています。
研修の講師として伺う大手さんの社員さん達も、テクノロジーを生み出す技術はとても優秀なんですが、技術を世に広めるためのコミュニケーション力が足りていなという言葉をよく耳にします。やはり両輪が上手く動いている企業が、成長する気がしてます。
ところで大貴さんのアナウンサーデビュー時はどんな心境だったんですか?
刺激のある仕事に就けたと思いました。ただ、自分が持っている能力よりも世間からの注目度は高く、乖離した溝というのに不安を抱きました。楽しくもあるのですが、それ以上に怖さ・・・恐怖との戦いが始まったんだという感覚が強かったです。
1番の恐怖とは?
カメラに向かって話していると、カメラの奥に視聴率10%で1,000万人、視聴率30%だと3,000万人という人数の人たちが見ているということがわからないんです。1人が不特定多数に伝えることへの魅力の反面、その人達の反応が。視聴率が悪かった次の日はものすごく憂鬱になりました。
その気持ちをどうやって乗り越えれば良いのかと聞かれるのですが、昨日のことは反省しなければいけませんが、1日だけではなく1年で考えて勝負しましょうと。さすがに1日毎ではキツイですからね。
その時のメンタル面の強化みたいなことは何かしたのですか?
毎日打席に立ち、毎日打つことですね。結果よりも打席に立ち続けることにより、成功への感は冴えてくるものなんです。失敗も多いですが、とにかく回数を重ねるしかないと感じました。
失敗を恐れずに、まずバットを振れと。
来たボールを打ちなさい。逃げずに打席に立つことが大事ですね。
打席に立つこと自体も怖いと思うのですが?
ボクシングの金メダリストの方が話していたことなんですが、「大貴さん、次の勝負の一歩を踏み出すかどうか考えてる時が一番不安なんです。踏み出してしまえば怖くなくなります。」「なぜなら踏み出した瞬間から、もう向かうだけなんですから。」「踏み出すかどうか悩んでいるときが、一番ノイズも大きく感じますが、とにかく踏み出してください。」「迷い続けることほど、危ないですよ。」と。
アナウンスメントはプレゼンテーションで成り立っているので、やはり打席に立ってプレゼンをしていくということが必要です。今日の天気はどう?と聞かれて、応えるのもプレゼンテーション。若い頃はキツかったですけど、やり続けて良かったと思います。
最近、メンタル部分で夢を諦めてしまう子が多い気がするんです。
打席に立つ前に辞めてしまう子が多い時代ですよね。立ってどうかではなく、立つ前に調べることだけで判断してしまっているような気がします。特にIT業界を目指す人は、調べる能力が非常に高そうですし。立てば景色が変わるのに、立つ前に立たない理由を探してしまう人が多いんじゃないでしょうか。
SNSとかの言葉を鵜呑みにし、実際に業界で働いている人の声が届いてないみたいなんです。自分にとって都合の良い言葉を選んでしまう。夢って、頑張った人にしか掴めないと思うんですね。努力とか頑張るはノイズになってしまう。
スポーツを全然わからないキャスターから、どうやったらスポーツを好きになれるかという質問を受けるんです。最初に話すことは「とにかく現場に行って選手と会話をしなさい」「選手を好きになりなさい。」なんです。自分との共通点が見つかり、その人に興味を持ち始め、なぜその競技ををやっているのか、その競技を好きな理由も解ります。興味を持つからルールを覚えるようになり、競技にも詳しくなってきますよね。そうすることで立派なキャスターに成長していくんです。
IT業界は人に会わずに、始終パソコンと向き合っているイメージがあるんですが。
弊社のようなインフラ業界は、マシンやルーターなどが友達なところもあるので、人に興味がない、コミュニケーションが苦手な人間が多いですね。会話は苦手ですがチャットはめちゃめちゃ早いんですよ。文法力は高いですね。
色々と学習能力は高そうですもんね。
高いですね。ただ、好きなことはとことんやりますけど、好きではないことは土俵にも上がってこないです。
触れもしない。
私もこの業界に20年いますが、はっきり言ってITに詳しいわけではないんですよ。
エッ!?
もともと格闘家として拳で生きてきたもので。怪我をしてから、生きるための手段としてこの業界に入ったんです。でも本当の経営者になったのは起業してから10年後ぐらいですかね。それまでは、ただ社長って肩書の上に載ってただけというか。経営者らしくなってきた頃から、正攻法でやっても私のような人間は成功しないと思い、自分をクビ(社長という立場にとらわれない)にしだしたんです。
先人たちと同じ道を歩いても仕方がないと。
理系出身でもないし、この通りバリバリの体育会系ですので(笑)だからこそギャグを真剣にやる会社として生き残っていこうと。ただし研修は、人間力と能力アップを最大に伸ばすことを目指しています。弊社には、技術はもちろん人間力も優れたエンジニアがいるので、彼らがきちんと育て上げます。
最近プロスポーツのスポンサードをするようになったんです。大日本プロレスもその一つなのですが、決まったスタイルではないインデペンデント的な団体を応援するようにしています。それがフロンティアソリューションのカラー(理念)に繋がるからなんですが。
この会社を創ったのも、IT業界には面白い人間が沢山いるんだと言うことをみんなに知って欲しかったんです。そのためにバラエティ番組に出演したり。こんな人間でもIT業界は通用するんだよ!と言うことを伝えたかったんです。
確かに。イメージ変わりますよね。
立派な社長をやっているという感覚も持っていません。
全くですか?
はい。経営というエンターテイメント、プロレスをしている感覚なんです。そのプロレスを盛り上げるためにジムやカフェ、リングをも揃えました。本来IT会社には必要ないものです。でも弊社の社風はこうなんです。この風に一緒に乗れる人を求めているんです。
真剣なギャグについてきてくれる、そんな人が。
良い番組を作れる時って、良いチームなんです。番組って人が作るものなので、人間性が出るんです。良いチームが作った番組は長続きするというのが、メディア間での定めなんです。組織が良ければということになるんですよね。
社長にとって組織の作り方、コツみたいなものはあるんですか?
プロレスにもタッグマッチというのがあって、シングルが強くてもタッグになると弱い選手がいます。逆もまた然りで、タッグマッチのチャンピオンには何度もなっていても、シングルマッチではダメ。管理者として、この社員とこの社員を組み合わせたら良さそうだと言うことは、常に見ています。
やりがいがある、興味がありそうなプロジェクトと人にマッチングしていく。そうすることで成功体験が増えるんです。でも常にゴチャ混ぜにしていくんですけど(笑)
ゴチャ混ぜに?
いろいろなことを経験させて、他の人に合わせられる人間になってもらうように。合わなかったら「ゴメン、ゴメン」って謝りますけど(笑)経験を積んでスキルがアップすると、他の人に合わせられるようになります。そうなれば、リーダーとして他の社員を引っ張ってもらう。そんなキャリアアップを望んでいます。
組織の中で人と人をコラボさせながら、シナジーを産んでいくということですね。
でも、やる気が起きないときってあるじゃないですか。そういうときは、さっさと帰らせます。
帰れで良いんですか?頑張りなさいじゃなくて。
私は社内で「帰れおじさん」て呼ばれてるんですよ。帰るまで座っている椅子をぐるぐる回したり(笑)テンションが低い時に、良い仕事はできないですからね。僕もやる気が出ない時は、仕事を切り上げ筋トレして帰ります。
確かに生産性に欠けますよね。
だから社員の動向よりもテンション、気持ちを見るようにしています。
マインドセットは確かに大事ですが、マインドセットの方法の一つに、頑張らなくてもいいという考えもあると。
試合前とかで、筋トレとかやりたくないときに無理してやると、一番怪我するんですよ。私もまだ期限が先のもので気乗りしない時は、「今週はやりたくないから」と言って手をつけないことがありますよ(笑)つまり1人の力は小さいですが、周りも巻き込んで大きなチームにしてしまえば、力は大きくなりますよね。
そう言えば、アイススケートでトリプルアクセルという言葉がまだメジャーじゃない頃、三回転半でいくかどうかアナウンス部で議論になったことがあったんです。アナウンス的には三回転半なのですが、その人の持つ魅力とかを考え、敢えてトリプルアクセルで行くことに。あっという間に代名詞になったんです。つまり視聴者の方々それがなにかを自ら学び、どんどんステップアップするんです。そしてもっとその選手のファンに。自ら学んで成長していく。社員の方々にもそうのようなことを感じられますか?
10年以上前からやっていることがあるんです。新人社員が1年過ぎた辺りに、エクセル、ワードのことで質問するんです。質問は新入社員の頃にしたこと。答えられるかと言うよりも、社長に教えるという事実。これ、小さいですが一つの成功体験を自ら学んでもらうようにしています。
社会に出ると、どんな小さな成功体験でも、その人の成長につながるものですよね。
弊社の社員には、未経験、コンビニの店員、ニートとか、中卒の社員もいます。だからこそ社会においての経験値や学歴よりも、根が良い人かどうかを大切にし、少しでも多くの成功体験を積ませたいんです。
まずは人間性なんですね。だから業績も伸び続けている。
お陰様で。そんな彼らが頑張ってくれているもので。
何も知らないならば、教えれば済むことですし、その彼らから今度は私が教えてもらう。3〜5年経つと、本当に教えてもらうことが多いですよ。
皆さんが成長している、大きくなっていると。
凄いな〜って思いますよ。成長を見るのは、楽しいし好きなんです。
社長とお会いして感じたことなんですが、一度しかお会いしてないのにもかかわらず、とにかく感謝の気持ちを伝えてくださる。その辺も大事にされているのですか?
スキルアップも大切ですが、その過程で奢ってしまったり天狗にになったりしてしまうことがあるんです。役職に就いたり先生と呼ばれたりすると、上から目線になってしまいがちで。そのレベルになるまでに、どれだけの人にお世話になってきたのか。だからこそ感謝の気持ちは絶対に忘れてはいけない。私が怒る時も、唯一その部分なんです。まして天狗になって帰ってこようものなら、その鼻バキバキに折りますね(笑)この業界は、スキルが上がるとその人自身の価値も上がったように感じてしまうんです。社内では部長だとしても、プロジェクトに参加したら関係ないじゃないですか。新人に対してであれば、その人のレベルまで下がって持ち上げるくらいでないと。
中田社長には、怒られたくないですね。色んな意味で怖そうですもんね(笑)
SDG’sに関してお伺いしたいのですが。企業としてはサスティナブルでならなければいけないという時代ですが、御社としてはサスティナブルをどのようにお考えですか?
アビスパ福岡さんが、SDG’sを含めた社会貢献に一緒に取り組む社連パートナー制度を設けているんです。今、弊社もパートナーとしてスポンサーになっています。どの分野で社会貢献を担うかはまだまだ模索中なんですが、アビスパさんのSDG’sの一つに芝に関しての取組もあり、まずは自然や環境での貢献に協力できればと思っています。
SDG’sを行っていますかと聞きますと、再生紙を使ってますとか、再生素材使ってますとかになってしまいガチですが、誰かを介して一緒にSDG’sに取り組むというのも、たいへん価値があると思います。
ありがとうございます。
業界としては二酸化炭素問題への取り組みとかなんですが、一企業としてはインボイス制度に伴いペーパーレス化は進めたものの、単にSDG’sと言われても、何をしていいかがわからない部分が多いんですよ。だからこそ何かを介してでも一緒に支援させていただければと考えたんです。
どうしても自分たちの子供の世代、孫の世代ぐらいまでは想像ができますが、3代後ぐらいからは想像しづらいと思うんです。でもそこまで考えられてSDG’sなんではないかと思っているので、それに関連するのであれば全てソーシャルでありサスティナブルなのだと思います。
私としても、伊良部島の珊瑚の再生や天然もずくの再生、養殖などのお手伝いをさせていただいてるんです。
再生させるということに関してはスポーツ選手も同じで、パフォーマンスが落ちた選手をどうやって蘇らせることができるのかと言う問題があるじゃないですか。これ、植物など生き物を見ることがとてみ大切なんです。そこから学ぶ感じるというのが、とても刺激になるんです。どうしても投げ方だったり走り方だったりとテクニックに関する方向に行きがちなんですが、生きる姿、成長する過程を見ることによって、選手は心に火が付くんです。これってある意味SDG’sではないかと思っているんです。復活することによる継続性という意味でも。
弊社も似た例があります。人と関わることが苦手なニートだった社員も弊社にいるんですが、エンジニアスキルをアップさせチームリーダーとして活躍しているんですよ。
フィジカルはもちろん、マインドを再生させるのもSDG’sに繋がることだと思います。
いろいろとお伺いしてきましたが、今後のフロンティアソリューション、それと社員の方々の未来に関して、どのようにお考えですか?
弊社を日本で一番大きなIT企業にしようとは思っていません。
けれども、日本で一番笑える会社にはしたいんです。インフラに関しては最高峰、それを支える社員はいつも笑ってる。何かあったら会社行って笑わしてもらおうとか、そんな安らぎと安心感に満ちている会社であり続ける。お客様にとってもそれは同じで、ちょっと暑いからFS行ってアイスコーヒー飲もうとか(笑)
いつまでビジネスのプロレスは続けていかれるのですか?
それは、誰かがこの会社の全てを引き継いでくれるかにかかってますね(笑)社員の子供が「お父さん、お母さんの会社へ入りたい!」と言ってくれたら、引退しようかと。
素敵な夢であり、ご希望ですね。
大貴さんの夢は?
あなたのやりたいことが、僕のやりたいこと・・・
これは僕の反省点でもあるのですが、番組を続けたいとか、キャスターの席を守りたいとか考えてしまうと、どうしても自分軸になってしまうんです。そうすると周りに対してキツくなる。自分を一番にしなければならないので、自分のポジションをどうやって守るかしか考えなくなってしまう。アイデンティティもクリエイティブではなくなり、相手に対して失礼にもなります。結果番組が終わったことも。
他人軸であれば人のことを考えるから、とてもクリエイティブなんです。そうするとアイデアマンになるんです。
局アナを辞めてから一番大切にしていることなんです。これを続けていくことが夢なんです。
私も社員がやりたいことは、全部やらせてみる!多様化しているのでとにかく彼らの考えを認めるようにしています。
なんか似て
ますね!!